マイクと楽器の音をOBS上で別々に管理することができたのでそのやり方について話します。
こんにちは。
のちたままです。
今回はDAWソフトを使ってマイクと楽器の音を別々にOBS上で管理する話です。
導入の背景
今回の環境を構築した理由は、配信上で声を入れてるマイクと楽器の音の出力先を分けたかったためです。
最近カリンバを買ったのですが、OBS単体だとマイク出力を分けるやり方がわからなかったため、DAWソフトを経由して出力を分ける方法にしました。
参考になりそうな動画や記事を見たのですが、躓いた点がいくつかあったのでそれも含めてまとめました。
なるべくわかりやすいように書いたつもりですが、わからないことがあったらコメント等で教えてください。
今回使用した物
今回使用したものは以下の通りです。
- ハードウェア
- Focusrite Scarlett Solo 3rd Gen
- マイク
- ピックアップ(マイク)
- ソフトウェア
- Ableton Live 11 Lite(DAWソフト)
- OBS
- VB Cable(プラグイン)
- ReaStream(プラグイン)
今回の構成を大まかな図でまとめると以下のようになります。
次は今回使用した機器やソフトについての紹介です。
繋ぎ方の説明に移る場合はここを押して接続方法へ飛んでください。
Focusrite Scarlett Solo 3rd Gen
Focusrite Scarlett Soloはオーディオインターフェースです。
XLRケーブルを使ってマイクを繋いで使っています。
シンプルで使いやすいですがその分、機能は少ないです。
また、Scarlett Soloは後述するAbleton Live 11 LiteというDAWソフトが無料でついてくるので意外とお得です。
- Focusrite Scarlett Solo 3rd Gen
マイク
僕はAudio-technicaのダイナミックマイクを使っています。
コンデンサーマイクに比べて安価で済みますが、ダイナミックマイクなので感度は低いです。
僕は声が小さいのでScarlett Soloのゲインは最大まで上げないと声がほとんど入りませんでした。
- Audio-technica PRO41
ピックアップ
これはカリンバに付けるマイクです。
アコースティックギターやウクレレなどに用いられるものですが、カリンバにつけても使えました。
しっかりしたものだと1万円くらいするものもありますが、とりあえず音が出せれば良い場合は安いもので大丈夫です。
僕は1000円程度のものを使っています。
Ableton Live 11 Lite
Scarlett Soloについてくる無料のDAWソフトです。
Focusriteのホームページから会員登録等を済ませると使えるようになります。
有料版のLive11に関しては以下のページからご覧ください。
OBS
言わずと知れた配信ソフトです。
以下からダウンロードできます。
OBS Studioは有志の製作によるプラグインが豊富なので、様々な拡張ができます。
以前書いたこの話もOBS Studioだからできました。
配信が初めてだと手軽にできる配信ソフトを使うのが良いと思います。
しかし、配信に慣れたりやりたいことが増えるとOBS Studioに移行する人を良く見るので、初めからOBS Studioでも良いと思います。
Ableton Live 11 Lite(以下、DAWソフト)とOBSを繋げるにあたって必要なプラグインについて説明します。
ReaStream
これはざっくり言うと、DAWソフトの出口とOBS側の入口を作るプラグインです。
これを使うと、DAWソフト上で別のトラックで管理されるマイクと楽器の音をOBS上にて別の音声入力ソースとして管理することができます。
VB Cable
これは仮想ケーブルのプラグインです。
PC上のソフトからソフトへ音を入力する際に使用するものです。
今回の場合はDAWソフトから出力した音声をOBSに入力するために必要なものになります。
DAWソフトとOBSの接続方法
※Ableton Live 11 LiteおよびOBSはインストール済みという前提で話を進めます。 まだの場合は先に済ませておいてください。
まずは必要なプラグインをインストールします。
VB Cableを以下のサイトからダウンロードします。
基本的にはインストールすれば使えるようになります。
確認するにはコントロールパネルから「ハードウェアとサウンド」を開いて、サウンドの項目にある「オーディオ デバイスの管理」を押してください。
再生タブ内の一覧に「CABLE INPUT」、録音タブ内の一覧に「CABLE OUTPUT」が準備完了と表示されていればOKです。
ReaStreamは以下のリンクからダウンロードしてください。
ページに飛んだら画像の赤四角で囲まれた箇所から32bitまたは64bit用をダウンロードしてください。
ReaStreamをインストールするときはDAWソフトとOBSの両方に入れることになります。
先にどちらかのプラグインフォルダにインストールしておき、もう片方のプラグインフォルダにコピーするので良いでしょう。
インストール先は[C:\Program Files\VstPlugins]に入れておいてDAWソフトとOBS両方で読み込める形にしておくとラクだと思います。
DAWソフト側の設定に入ります。
まずはAbleton Live 11 Liteを開いて「オプション」>「環境設定」を開いてください。
Plug-insタブを開いて「VST2プラグインカスタムフォルダを」を「オン」にしてください。
すぐ下のカスタムフォルダのブラウズボタンを押して先ほどのインストールフォルダを指定してください。
設定画面を閉じて画面左側のプラグインタブに以下のように表示されていればAbleton Live 11 Lite上でReaStreamが使えるようになっています。
OBSとつなぎたい音声トラックを選択した状態でプラグインの「reastream-standalone」をダブルクリックします。
すると以下のような画面が出てくると思います。
出てこない場合は画面下のオーディオエフェクトの欄にあるreastream-standaloneのスパナマークを押してください。
それでは設定に入ります。
Identifierの欄を自分がわかる名前にします(micとかvoiceなど)。 ※defaultのままではうまく動作しませんでした。
「Send audio/MIDI; IP:」のボタンを押し、右の選択肢から「local broadcast」を選んでください。
これでDAWソフト側の設定は終わりです。
マイクのトラックとピックアップのトラックにそれぞれreastreamの設定をすることにより、OBS側で別々の音声入力として認識させることができます。
ですので、マイクのReaStreamとピックアップのReaStreamの2つを設定する必要があります。
その際にはIdentifierの名前はマイクとピックアップで別のものにします。
まとめてで良い場合はMasterトラックにreastreamを設定すればOKです。
続いてOBS側です。
OBSのソースにて「音声入力キャプチャ」を追加します。
デバイスに「CABLE Output」を選択します。
ソースに追加できたらソースを選択して右クリック→フィルタを押します。
+ボタンを押して「VST 2.x プラグイン」を選択し、「reastream-standalone」を選びます。
※ここでreastream-standaloneが無い場合は「C:\Program Files\VstPlugins」にプラグインが入っているか確認してください。
VstPluginsフォルダが無い場合は作って大丈夫です。
「プラグインインターフェースを開く」を押すとDAWソフトの設定時に見たものと同じものが出てきます。
そこで、DAWソフト側で設定したIdentifierを入力してください。
これでDAWソフトのトラックとOBSが接続されます。
音がOBSに入らない場合は、Identifierが一致しているかなどの設定の確認や、そもそもDAWソフトのトラックに音が入っているかなどを確認してください。
DAWソフトの各トラックとOBSの各音声入力キャプチャのソースが接続できれば設定終わりです。
最後に
今回の話をまとめると、
ということになります。
少し設定が複雑かもしれないので、わからないことがありましたらコメント等で遠慮なくご質問ください。
僕がわかる範囲で答えます。
また、今回はAbleton Live 11 Liteを使いましたが、別のDAWソフトでも同じような設定ができるかと思います。
別のDAWソフトに関して記事を書いている方もいると思うので、探してみてください。
この記事が誰かの役に立つと嬉しいです。
それではまたいつか。