2021年2月、僕はうつ病になった。
数年前にうつ病になった知り合いを見ていた。
ブラック企業に働いていたからだと思っていた。
ホワイト企業で残業も少ないから自分には関係ないと思っていた。
恵まれた環境にいる自分がまさかこんなことになるなんて。
僕は今月、うつ病と診断された。
僕は周りから見ても真面目な性格だった。
与えられたことや自分がやりたいことを一生懸命にやってきた。
仕事に対してもそうだった。
先輩社員や上司とも仲良く、わからないことも気軽に聞けたし仕事も進められた。
進捗が出せなくても周囲の人に助けられながら仕事を勧めた。
テレワークだけど、雑談する機会もあり気晴らしできていた。
何も問題はないと思っていた。
2021年1月のある日、朝起き上がることができなかった。
仕事に行きたくないとかではなく、体が動かないのだ。
僕は疲れが溜まっているだけだと思って、その日は休みをもらった。
一日中寝ていた。
次の日起きると、何事もなかったかのように元気だった。
思えばこの頃から体がおかしくなっていたのかもしれない。
2021年1月中旬、朝起き上がるのが辛くなってきた。
それでも納期が近かったため仕事をした。
食欲がなくなってきた。
食べられるのは果物と液体。
着替えをするのも面倒になってきた。
ぼんやりと死について考え始めた。
2021年1月下旬、僕は風呂に入ることができなくなっていた。
着替えをすることもできず、何日も同じ服を着ていた。
仕事もままならず、パソコンの前でぼーっとする日々を過ごしていた。
2021年2月3日、具体的な自殺方法を考えた。
自分が怖くなり、ベッドの中で泣き続けた。
2021年2月4日、体が動かなかった。
一日中ベッドで泣き続けた。
2021年2月5日、体が動かなかった。
上司から電話がかかってきた。
泣きながら打ち明けた。
2021年2月中旬、僕はうつ病と診断された。
診断書をもらい、休職手続きをした。
2021年2月、僕はうつ病患者となった。
いま振り返るとうつ病の傾向が見られる箇所がいくつもある。
それでも僕は疲れているだけだと思い軽視していた。
「自分のことは自分がよくわかっている」なんて言葉を聞くが、うつ病に関しては他人の方がよくわかると思う。
「疲れているから」という理由で塞いで、自覚できていなかったから。
もし、この話を読んでくれている人がいるなら、親戚や家族、友人などに声をかけてあげてほしい。
できれば直接声を聞いてあげてほしい。
「元気か?」「風引いてないか?」
それだけでいい。
声をあげたくてもあげられない人だっている。
そんな人たちの助けになってほしい。
少しでも僕のような人がいなくなることを祈って。